看護師キャリアガイド

働くナースのスキルアップ

緩和ケア認定看護師

緩和ケアとは、WHOには「生命を脅かす疾患に起因した諸問題に直面している患者と家族のQOL(生活の質・生命の質)を改善する方策で、痛み、その他の身体的、心理的、スピリチュアルな諸問題の早期かつ確実な診断、早期治療によって苦しみを予防し、苦しみから解放することを目標とする」と定義されています。がん緩和ケア=がんの終末期というイメージがありますが、疾患の早期の段階から緩和ケアが提供されるようになれば、医療がより生活に根差したものになり、患者さんの納得度も上がっていくでしょう。資格を取得した方へのインタビューを聞いて、キャリアアップをイメージしてください!

緩和ケア認定看護師インタビュー

山中 容子さん

緩和ケア認定看護師
幸手総合病院
4階病棟 内科
島津 ちほさん
趣味:ドライブ

http://www.sattehp.jp/

緩和ケア認定看護師を目指したきっかけは?

看護学生の頃から、最終的には緩和ケア(当時ホスピスケア)に携わりたいと思っていました。看護師になった当初は千葉県の房総にある病院で救急病棟に配属されたのですが、救急をやっていると、様々な患者さんが搬送されてきます。もちろんすぐに亡くなってしまう方もいますよね。救急だから全ての患者さんが助かるわけではない。患者さんの身体的なケアはもちろんですが、亡くなっていく患者さんやご家族の心のケアってとても大切と強く考えるようになりました。主人の仕事の関係で、病院を移り働いていく中でも、がん患者さんと関わる機会が増え、緩和ケアに携わりたいという思いが今まで以上に湧いてきました。
医療の世界でも緩和ケアがクローズアップされるようになってきて、自分でも本や雑誌、研修に参加し学んでいました。緩和ケアは、学べば学ぶほど奥が深いことを知りました。がん治療だけに必要なケアではないことも知りましたし、普段の行っているケアにも結びつくことが分かり、意識や行動を見直しました。そして、実際の緩和ケアについて、もっと触れて、学びたいと思うようになりました


日々の業務について

今は緩和ケア認定看護師としての業務は少ないのですが、今年の4月に久喜総合病院に移転し、がん患者さんへ高度医療を提供することができるようになります。今、目の前にいる患者さんやご家族、そして新しい病院で出会う皆さんへ緩和ケア認定看護師として、高い知識と技術の提供ができるように日々働いています。

仕事のポイントはありますか

「その人がその人らしく生きるためのケアって何だろう」と、常に考えていくこと。10人いれば10人ちがいますよね。私たちが決めるのではなく、患者さんやご家族の感じていることや心の奥にある思い(希望や生きている実感、小さな幸せ)を引き出して、サポートしていくことが大切だと考えます。それは言葉によって、お話されたことだけでなく、心の声に耳を傾け寄りそっていくことも重要です。私たちが患者さんやご家族から学ばせてもらっている、助けられている、そういった気持ちを常に持つこともポイントではないでしょうか。

資格取得について

勤務先の病院は認定資格を取得することに賛成で、スタッフの皆さんから「頑張ってね」と応援されました。家族からも仕事にやりがいが出て、患者さんのためになるならとても良いこと、と背中をおされました。 研修先に選んだ場所は、地域に根付きながら緩和医療が盛んな北海道医療大学の研修センターです。北海道の緩和医療に直に触れ、緩和ケア病棟及び在宅ホスピスに実習に行くことができました。とても実りある研修になりました。
全ての研修を通してコミュニケーション能力に関して学びますが、講義を受けたからできるというものではありません。人と人、心と心が触れ合い通じ合うコミュニケーションは、日々の生活の中で養っていかなければならないスキルです。資格を取ったところから新たなスタートです。研修後も常に学習ですね!

1日の流れ

オフの日は何をして過ごしますか?

島津ちほさん

車を運転する時間が好きなんです。音楽かけたり、子供と一緒になって歌ったり!帰路は、眠くなければ遠回りして帰ったりします。先日は、早朝に栃木にむかって、込む前の昼ごろ帰ってきちゃいました。


今後の展開をお聞かせ下さい

幸手総合病院は、4月から久喜総合病院に新築移転し、救急医療やがん医療に力を入れていきます。地域に密着して、より緩和ケアの必要性が高まると思っています。緩和ケアは看護の基本であって、幅の広い考え方が必要です。この分野は、看護師皆が関心のあるところであり、院長先生とも勉強会が必要になってくるというお話をしました。痛みなどの症状コントロールからグリーフケアまで、緩和という幅広い考え方を看護師だけでなく、医師やコメディカルといった医療スタッフ皆で協力して行っていける環境を作っていきたいと思います。将来的には、この地域のどこかに在宅ホスピスができることを望みます。
 まずは「緩和ケア」を共に考えられる仲間作りをしていきたいです。そして、小さな積み重ねが、いつか地域に密着した医療に繋がっていけるようにしたいです。

資格を目指す方へ

もちろん研修センターでの勉強も大変ですが、それ以上に得るものは大きいと思います。緩和ケアは認定看護師だけが知っていなくてはいけないことではなく、新人からベテランまで全ての看護師が知っていてよいことばかりです。自分自身も見つめ直すことができ、看護観や死生観が深められ、医療者として、そして人として成長できるのではないかなっと思います

まとめ

今回の取材で、緩和ケア認定看護師の仕事内容は伝わりましたでしょうか。緩和ケアはがん患者さんだけに必要なものではなく、すべての患者様に提供しなくてはいけない基本的なものですと教えられました。高度な治療が増えてはいるものの、看護師の本質的な役割は変わりません。その中でも高い知識を持って患者さんとそのご家族に向かっていく姿勢を見習いたいと思います。

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