感染管理認定看護師とは、主に病院等の医療機関に所属し、医師、薬剤師等と院内感染対策チームや同様の委員会等を構成して、日常の看護業務や病院内全般における院内感染の防止等感染症対策を行います。
感染管理とは、保健医療施設における全ての人を感染から守るための活動です。感染管理認定看護師には、疫学、微生物・感染症学、消毒・滅菌、関係法規等に関する最新の知識を基盤に、各施設の状況に合った効果的な感染管理プログラムを構築することが期待されています。
感染管理認定看護師インタビュー
感染管理認定看護師
昭和大学病院附属東病院
4階病棟
秋間 悦子さん
趣味:スポーツ全般
http://hosp.showa-u.ac.jp/SUH/
現在はどのような業務をされていますか?
現在は、リウマチ膠原病内科、呼吸器内科、神経内科、糖尿病内科、眼科の混合病棟で感染管理をしています。
感染管理としての業務内容は感染リンクナースへの情報提供や、感染防止対策であるハンドソープや手袋などの感染防止防護具の設置、保管管理や患者さんとスタッフへ指導教育を行っています。現場で問題となる前に医師等と話し合いをするなど、さまざまな感染管理を進めています。
スタッフの意識を高める為に
感染管理は手指衛生が基本ですので、確実に実施できるようにしました。手指衛生に関しては、効果的な手洗い方法とタイミングで実施しないと意味がありません。手洗いを徹底するには手洗いの工程ごとに点数をつけて、手洗いの評価を行ないます。まだまだ充分とは言えませんがスタッフの意識はかなり高まっています。スタッフ同士で、相互に指摘しあう大切さを、チームリーダーが理解して病棟全体に広めることが大事です。
感染管理認定看護師としての業務
日常はスタッフとして病棟で勤務しています。業務内容は主に自部署の感染管理をしていますが、通常業務をしている際にも時間が空いたら、感染管理のチェックのために院内を巡回します。また、感染に関する問題が発生すると専門的な活動となります。
院長、安全管理責任者、事務職員、施設課職員とともに月2回ほど、病院を巡視しています。その場で改善できることは提案し、出来ない場合は写真を撮って、改善するポイントを記録します。次回、それが改善されているか、新たに問題はないかを確認していきます。
病棟の代表として、各部署の代表が集まって意見交換をする感染リンクナースの会の運営や、私学協議会などの外部の会議に出席しています。例えば私学協議会では、「他病院で多剤耐性アシネトバクター(MRAB)が起こったので注意していこう。」などのタイムリーな情報提供や意見交換などをしています。 外部の会議は、院内で報告をして、不足していることがあれば医師をはじめ、ICTチームで連携して取り組んでいます。
今年1月の東京都医療監視の際も対応しました。手指衛生はできているのか、個人防護具は妥当な場所に設置されているのか、会議の記録の点検など、各部署を周り細かな点をチェックしました。
マニュアル改訂
院内のマニュアルを※CDCを基に病院の基準として改訂しました。マニュアルはスタッフが理解し活用することが前提です。そのためにマニュアルを見やすくしたり、分かりやすいレイアウトに変えたり、エビデンスが変わった項目を変更しました。最近取り組んだのは新型インフルエンザのマニュアルを改訂しました。インフルエンザが流行した場合、大勢の患者さんが当院に来院した際の対応体制をまとめました。
※CDCとは、疾病管理予防センター(Centers for Disease Control and Prevention)の略で、アメリカ合衆国ジョージア州アトランタにあるアメリカ合衆国保健社会福祉省所管の感染症対策の総合研究所のことです。
ヘルニアで行けなくなってしまって辞めてしまいましたが、ボディボードやボクシングをやっていました。そのため、最近はスポーツをするより、スポーツ観戦し、ストレスを解消しています。
資格取得までの道のり
9ヶ月間(月~金までの平日5日間)、神奈川県立保健福祉大学の実践教育センターで勉強をして資格試験を受けて取得しました。この間は長期出張扱いで給与が出ました。文章の作成や細かい数字の整理は好きなので、感染率のような数値をまとめることは問題なかったのですが、パソコンが苦手だったので、レポートをデータで作ったり、また先生によってはパソコンだけのやりとりの授業は苦労しました。
授業内容は、感染症学、疫学、統計学などの座学をはじめ、細菌の染色や実際に自分が授業をするといった実習、自分の役割に必要な能力について、リーダーシップについての基本的な考え方を学習しました。
資格を取ってからの学習は重要です。CDCからのガイドライン、厚労省や東京都からの情報提供の中から、どのような感染症が流行っているかなど、情報を常に収集しなくてはいけません。
感染管理を選んだきっかけはありますか?
集中治療室で働いていたときには、感染リンクナースでした。感染リンクナースというのは、各部署に1名が任命されます。感染リンクナースが感染管理室からの情報を他のスタッフに伝える役割をします。その感染リンクナースの仕事をして、感染管理認定看護師に興味が出てきました。
感染管理のマニュアルでは具体的な対処方法が細かく定められています。こういう患者さんが来たらこういう対応をするなど、具体的な指示をすることによって結果がでるようになっています。スタッフが指示通りの対応をしているのをみて、現場を動かしている実感に、やりがいを感じました。
また、サーベイランスといって感染率やカテーテルの使用比率を数字化することにより、それに基づくエビデンスから、どういうケアが必要なのかを考えて改善し、感染率を減らすという、数字で分かるダイナミックな成果に魅力を感じました。
今後のプランを教えてください。
2011年4月1日から専従の感染管理者になります。 今までの業務範囲ではできなかった部分も課題として抽出し、対応していくつもりです。いろいろな情報を収集して病院全体として感染管理に取り組んでいきたいと思っています。
患者さんやスタッフを感染から守るのは当然ですが、病院の費用対効果も考えながら仕事をしています。不必要なものを省き、必要なところにコストをかける、今使っている安全装置は本当にスタッフが使っているのか、使いやすいのかなどもチェックしていきたいと思っています。
今後資格を目指す方に一言お願いします
資格取得前に思っていた以上に仕事の幅が広く、非常に忙しいです。医師や薬剤師など各専門分野のスタッフと働いていくプレッシャーもあります。やると決めた人は、最後までやりきる覚悟をもってください。
感染管理は、何か問題になった時に対応するのも大切ですが、問題になる前に早期介入することは非常に重要です。
今後資格を目指す方は、この役割の重要性を意識しながら資格取得を目指してください。




